医療法人デンタルクリニックたかはし





 虫歯の数が減少してきている現代では、歯磨きは『何時しますか?』と聞かれると、ほとんどの方が、『食後』、『寝る前』と答えるのではないでしょうか?
 しかし、何時の頃からか定着してきているこの習慣ですが、本当に正しい習慣と言えるのでしょうか?
 数十年前までは、食後や寝る前に歯磨きをする習慣はありませんでしたが、歯磨きは必ず朝起きて直ぐにする習慣になっていたように思います。数十年前の週間でも、一日の中で虫歯菌や歯周病菌の増殖時間(夜間に増殖)を考えると朝起きて直ぐの歯磨きだけだとしても決して間違っているとは言えません。
 また、以前のようによく噛まなければならない食事内容であれば十分な唾液がでていて、食後の再石灰化が行われていると考えれば、食後の歯磨きはそれほど重要にならなかったかもしれません。
 ここでもう一度お口の中の環境と体への影響を見直してみましょう。お口の中には、たくさんの細菌がいますが、お口の粘膜には、タンパク質の壁のようなものがあり、細菌やウイルスが簡単にくっ付かないようにできていて、お口の中がコントロールされていれば細菌やウイルスは急に悪さをして体に影響を及ぼすことはありません。
 しかし、お口の中が汚れていると、歯垢・歯石・舌苔などを作る細菌からプロテアーゼというタンパク分解酵素が発生し、タンパク質の壁を破壊して細菌やウイルスが入りやすい状態になります。
 そして、細菌やウイルスが粘膜を通過し、体内に入って増殖し、病気を引き起こすことが解っています。
 また、歯磨きをすることにより歯垢・歯石・舌苔が除去され、プロテアーゼの量が減少し、同時に細菌やウイルスの数も減少することも解っています。
 そこで、歯磨きは『何時すると効果があるのか・・・?』ということになってきます。
 現代では、食後と寝る前に歯磨きをする習慣になってきていますが、寝る前に時間をかけて念入りに歯磨きをしても細菌(虫歯菌・歯周病菌)を100%取り除くことはできません。必ず数十%の細菌が残り、その細菌が唾液も出にくい寝ている間に増殖します。当然、食後も細菌の数は増えているはずですが、寝ている時と比べ起きている時には唾液が出ているため、唾液の自浄作用で自然に清掃が行われているので、寝ている間のように細菌が増殖する確率は低くなります。つまり、細菌の数が最も多い時間帯は、朝起きて直ぐということになります。
 私たちは、寝る前に念入りに歯磨きをしても朝起きた時に口臭がない方はいないと思います。また、食後直ぐに起床時のような口臭がする方もいないと思います。
朝起きて直ぐの口臭の原因もタンパク質分解酵素が関係していて、この酵素が働くことでガスを発生させ、起床時に嫌な臭いを出しています。
現代のように食後に歯磨きをする習慣では、起床時に発生しているこの嫌な臭いのするお口の状態のままで、朝食を摂るため、細菌やウイルスも一緒に飲み込んでいることになります。また、寝起きのコップ一杯のお水は、老廃物や寝ている間に失われた体内の水分を補うため、飲まれている方も多いと思いますが、朝食と同様この場合も起床時直ぐにお水を飲んでしまうと細菌やウイルスを一緒に飲んでしまい逆効果になるので、たとえ喉が渇いてもまずは最低でも一回のうがいをしてから飲むことをお勧めします。
 このようにこれからの歯磨きは、歯磨きのタイミングをもう一度見直し、現代の習慣に以前行われていた起床直後の歯磨きを加えた4回法歯磨き(起床時1回・朝食後1回・昼食後1回・夕食後または就寝前1回の計4回)をお勧めします。もともと歯磨きは、鼻や口から感染する風邪・インフルエンザなどの予防になっていますが、さらに4回法歯磨きは、細菌やウイルスが一番多く発生する時間に除去できるため、より効果が期待できると思います。4回法歯磨きをチャレンジしてみてください。

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