医療法人デンタルクリニックたかはし





 
 虫歯は、虫歯菌による感染症ですが、お口の中が酸性に傾き、虫歯になりやすい環境(汚れが多い・磨き残しがある・唾液が出にくい・乾燥しているなど)が揃うと、体の中で一番硬いエナメル質でも虫歯菌(ミュータンス菌)によって溶かされていく病気です。
 また、虫歯になる条件や環境を気にしていても、加齢と共に虫歯になりやすい場所を理解していなければ増え続ける可能性があります。
 加齢と共に全身の機能が徐々に低下していくことは仕方のないことですが、体のどの場所においても自分に合った対応を把握しておくことは大切なことです。
 お口の中で言えば、アゴの骨(上・下)が減少する(骨吸収)このによって歯茎が下がる症状が現われてきます。骨吸収が起こる原因には、歯周病(歯周病菌による感染症)、骨粗鬆症・外傷性咬合・加齢などがあります。
 歯茎が下がると歯の根元に近い部分が見え始め、初期症状としては、冷たい物・熱い物を食べたり飲んだりした時にしみたり、歯磨きをしている時にその部分に毛先が当たると痛みを感じるようになります。もし、そのまま放置しておけば、時間の経過と共に歯茎が下がり、根本の部分がはっきり分かる状態になってきます。根元の見える範囲が大きくなるにつれて段々汚れが付きやすくなるため、虫歯になるリスクが高くなります。歯の根元の層(セメント質又はすり減っている場合は象牙質)は、硬い層(エナメル質)に比べ軟らかいため、虫歯になりやすくなります。
 また、硬い層の虫歯(エナメル質う蝕)は、一般的にお口の中が酸性(PH5.5~5.7)に傾いた時に歯が溶けます(脱灰)が、軟らかい層(セメント質・象牙質)の場合は、何も食べていない状態(中性に近い値(PH6.0~6.7))から歯が溶ける(脱灰)ため、通常の虫歯に比べ歯が脱灰するリスクが高くなります。かぶせ物の歯(治療してある歯)に関しても同じように、歯茎が下がることで、かぶせ物と歯茎の境目に段差ができ、特に神経ない歯に関しては虫歯が進行していてもわかりにくいため、根元から折れる場合もあります。つまり、お口の中の環境によっては、あっという間に虫歯が増えたり、歯が折れたりする可能性があります。
 もし、歯茎が下がり始めた場合、まず最初に気を付けなければいけないことは歯磨き時の力加減(圧力)です。特に一生懸命力を入れて磨かれる方は要注意です。今よりも歯茎を下げてしまうだけでなく、歯の層が軟らかいため、歯磨きでもどんどん削れてしまいます。また、歯ブラシで傷つけられた面に虫歯菌が侵入し、より深い部分が虫歯になり、高齢者ではあまり痛みを感じない場合が多く、そのまま放置しておくと折れてしまう場合があります。



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令和元年10月8日更新


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