医療法人デンタルクリニックたかはし





 今回はもう一度、歯磨き粉の役割を見直してみようという内容になっています。
 私たちは、毎日体を洗うように食べて汚れた歯を磨き清掃します。ほとんどの方は、歯磨きをする時に歯磨き粉をつけて磨いていると思いますが、歯ブラシと同様に何を基準に歯磨き粉を選ばれているでしょうか。また、自分の予防目的に合った歯磨き粉をきちんと選んで使用されているでしょうか。
 歯磨き粉の役割は、虫歯や歯周病の原因となる細菌の塊(歯垢)から歯を守り、ニコチン・茶渋などの表面に着いた色素を落とし、お口の中をより清潔な環境でコントロールすることで口臭を防ぐことです。また、歯磨き粉を付けた時の方が付けない時と比べて効果が出ることもこれまでの研究で解っています。そして、正しく歯磨きをするためにも、歯磨き粉の内容成分をしっかり把握しておく必要があります。
 例えば、歯周病予防を目的とした歯磨き粉を選ぶつもりが歯周病予防の成分が解らず誤って虫歯予防の歯磨き粉を購入してしまった場合、いくら使用していても歯周病には効果がありません。その逆も同じことです。歯磨き粉をどれも同じような感覚で捉えてしまい、使用していればどれも同じ効果があると思ってしまっていると
なかなか目的の予防効果が得られません。また、周囲から勧められても、お口の環境がみんな同じではないため、必ず自分に合ったものを選んで使用することも大切です。
 歯磨き粉の成分には、虫歯菌・歯周病予防に必要な薬用成分の他に、基本成分(発泡剤・研磨剤・香味剤・結合剤・防腐剤などの添加物)が多く含まれています。


① 発泡剤により泡がたくさん出るため、磨いた気になってしまい、実は同じところばかり磨いて磨き残しに気付かず、虫歯や歯周病が進行してしまった方・・・
このような方は・・・
 発泡剤が入っていない、または少ない歯磨き粉を選び、必ず鏡の前で歯ブラシの毛先が当たっているかチェックをすることが必要です。


② もともと磨く時に力を入れてしまいやすいのに、さらに研磨剤によって歯を痛めてしまう方・・・
このような方は・・・
 研磨剤が入っていない、または少ない歯磨き粉を選ぶ。歯ブラシの圧を見直すためにも歯磨き指導を受けることをお勧めします。


③ 薬用成分が体にとって問題がないか気になる方・・・
このような方は・・・
 薬局やドラッグストアに置いていない場合があるので、よく調べる必要があります。


 このように添加物が色々な状況を招く場合があります。これらの例以外にも気になるような方は、適当に選ぶのではなく、よく調べてから使用することをお勧めします。
 これから色々なケア商品がどんどん出てくると思いますが、まず自分のお口の中の状態を早く把握し、自分に合ったものを見つけることが大切です。もし、自分で使用してみた結果、合っていなければ、どういうところが合っていないかを理解し、次に選ぶ時の参考にしていただければと思います。ケア商品は、一度気に入ったものは長く継続されることが多いので、色々試されることをお勧めします。

ページの先頭へ