私たちは、なぜ歯を磨くのでしょうか。磨かなかったらどうなってしまうのでしょうか。毎日体は洗うが、歯は磨かないという人はいないはずです。外国人からお風呂好きで清潔な印象の日本人ですが、日本人の口臭はかなり気になるようです。毎日歯を磨いているはずなのに、なぜ口臭が無くならないのでしょうか。
基本的に歯磨きはエチケットです。食後に歯を磨かないと気持ちが悪い人は、必ず歯を磨く習慣がついています。しかし、何も思わない人は磨いたり磨かなかったり、そのままでも気にならないと思います。このことから日本人と外国人の『歯磨き』に対する違いは、歯磨きはエチケットという習慣があるかないかに関係していると考えられます。
『歯磨き』は、自分のお口の状態が分からないと適当に磨いてしまうことが多く、いつも磨き残しが出てきます。また、磨き方は良くても歯ブラシが自分のお口の状態にあっていない場合においても同じことが言えるでしょう。このように何気ないことが毎日積み重なることで、口臭や歯の病気に繋がっていくと考えられます。
一般的に歯ブラシは、スーパーや薬局などで買われる方が多いと思いますが、歯ブラシを選ぶ基準は、ほとんどの場合が『毛先の硬さ』ではないでしょうか。スーパーや薬局で自分に合う歯ブラシについて質問しても、解りやすく説明してくれることはなく、結局、最終的に選ぶのは自分になる訳です。まず自分のお口の状態(歯の本数・歯の大きさ・歯並び・歯茎の状態など)が解っているかいないかで大きく異なってきます。毎日歯磨きをするときに以下のことを気にしているか確認してみてください。
○いつも歯を磨くときは、鏡の前で鏡を見ながら磨いている。
○歯を磨く順番が決まっている。
○自分に合った歯ブラシを選んで使用している。
○磨きにくい場所は、その場所にあった専用の歯ブラシを使って磨いている。
歯を磨くことは簡単のように思えますが、お口の中は個人個人異なるため、周りが良いと言われている歯ブラシを使っても合わない場合があります。つまり、自分に合った歯ブラシを早く探して継続することが大切になります。歯ブラシを適当に選んで、適当に磨いてきた方は、基本的なことが間違っていることに気づかず、歯を磨いた気になっているだけのように思われます。それではどのようなことに気を付けて磨けばいいのでしょうか。
一番早く解りやすいのが、歯科医院で歯磨きの指導を受けてみることです。できれば現在使用している歯ブラシを持参し、ヘッドの大きさ・長さ・毛の硬さ・毛先の細さ、グリップの長さ・太さ、歯ブラシの持ち方・圧力・あて方などを確認してもらうことです。現在使用している歯ブラシで練習することにより、その歯ブラシが自分のお口に合っているかいないかがその場で解り、色々なことを確認することができます。
例えば、現在ヘッドの大きい歯ブラシを使っていて、歯科医院での歯磨きの練習で小さい歯ブラシに変えると奥歯まで毛先が届き、今よりも磨きやすく感じるようであれば、ヘッドは小さい方が合っていることが解ります。このように指導を受けることで、自分の磨きにくい場所を確認してもらい、そのような場所を磨くための歯ブラシを見つけてもらうことが大切です。そして忘れていけないのは、早め(1ヶ月)の歯ブラシの交換です。
入れ歯を磨く時も歯と同様に、磨く順番を決め、汚れやすい場所は特に念入りに磨くことが大切です。入れ歯専用の歯ブラシがありますが、毛先の硬い歯ブラシが多いため、あまり強く磨き過ぎると入れ歯に傷がつき、かえってその場所に汚れがつきやすくなるので注意して磨いてください。あまり硬いようであれば、歯磨き用のヘッドの大きい硬さ普通の歯ブラシをお勧めします。また、歯磨き粉も入れ歯専用(研磨剤なし)の物を使用することで入れ歯に傷がつきにくくなるのでお勧めします。
歯磨きはどのような環境においても自分でまたは介助してもらって行える予防法です。自分に合った歯ブラシで歯磨きの仕方をマスターし、虫歯や歯周病から自分の歯を守りましょう。