医療法人デンタルクリニックたかはし





 
 人間が毎日、生理的に正常な状態を保つために欠かせないものが水です。体は水分が循環することで正常に活動できていますが、水分が1%でも不足すると脳の働きが衰え、頭がぼんやりするほどの意識障害が起きるぐらい厳しい状態に陥ります。
 そして、この水分不足が原因で引き起こされる意識障害こそがこの『認知症』の状態です。


水分不足率からくる症状

※図をクリックすると拡大表示されます。

 
 水分補給の目安としては、1日1500mlくらい(体重×30ml)。
 例えば体重50kgの場合・・・50kg×30ml=1500ml
 1日に体外へ排出される水分量は、約2500mlで、食事に含まれる水分量が約1000mlなので、別途1500mlの水分補給が必要になります。
 ところが、水分を必要とするほとんどの高齢者は約600ml程度しか水分補給を行っておらす、約900ml不足しているのが現状です。

□水分摂取が脳に与える効果

○脳の働きが活発になる
 体の60%は水でできていますが、脳においては80%が水でできています。そのため脳がきちんと働くためには適切な水分量が必要になります。特に意識しておく必要があるのは、毎日起床時にしっかり歯磨きをしてお口の中が奇麗になってから水を飲むことです。何故なら就寝時は、汗をかいていなかったとしても深く呼吸をするたびに水分が体内から逃げ、体の水分は失われ、それらが積み重なることで、朝の脳は水分不足になっているため、起床時が一日の内で脳が水分補給を求めている時間だからです。

○感情のバランスを取る
 水は視覚によってのみ感情に影響するのではなく、水を飲むことでも心に影響を与えることができます。その仕組みは簡単で、脳の温度が上がり、毒素や視細胞を取り除くこととで気持ちを切り替えができるからです。水を飲むことで細胞は活発さを維持し、ストレスや不安感を抑えるような良いバランスを保つことができます。
 また、脳の活性化や老化予防ができるのです。
 1日に1500mlの水分補給を行い、不足している水分を補うことで認知症の症状を軽減できるということが解ってきていますので、特に高齢者の場合、体重の50%は水分を占めているため、これからは水分不足による脱水症状を防ぐことは勿論、認知症予防としても注意していく必要があります。ただし、一生懸命飲めばいいものではなく、個人の適量がありますので、無理の無いように摂取して継続していくことが大切です。




平成30年10月3日更新


ページの先頭へ