医療法人デンタルクリニックたかはし







 ロンリーマウス・シンドロームというあまり聞きなれない言葉ですが、超高齢化社会になり、高齢者においては、これから身近に起こる可能性が高くなる症状であり、そのような状態にならないためにも、早期に知ってもらうことでより早く予防することができるという内容になっています。
※下記表をクリックすると拡大表示され、見やすくなります。

 独居の高齢者で外出をせず、人との会話がなくなる状態が続くことは、よほど精神的にしっかりしている方でない限り生活を維持していくことは困難なことです。
 今まで健康であった方でも、様々な理由で独居生活が始まり、毎日一人で食事を摂るような生活が続くと、だんだん食事の準備が面倒くさくなるため偏った食生活になり、徐々に生活習慣が乱れ、口腔機能が低下することで食事が摂りにくくなり、持病があればその病気が悪化したり、新たな病気になることが多くあります。
 これまで普通に食事を摂ることができていた方が、食事を摂ることが難しくなると、短期間で見た目以上に症状が悪化していることが少なくありません。
 また、趣味などもなければ手足を動かすことや物を考える時間もなくなり、さらに外出もしなければ徐々に筋力が衰え、足腰が弱り、体力的にも外に出ることができなくなり寝たきり状態になってしまいます。そして、食事ができない状態が続けば、孤独死へ進んでいきます。
 高齢者においては、このような普段の何気ない行動が積み重なり、口腔廃用の負の連鎖へと繋がっていくことが多くありますので、周囲ができるだけ早い段階で気づき、進行を食い止めることが大切になります。そのためには地域の連携が必要になってきます。
 連携地域は広範囲ですが、近隣関係・近所付き合い・周囲の見守り(地域の民生委員)から始まり、生きていくための食事(管理栄養士)、食事ができるようになるための歯科とのかかわり、必要な薬や検診を行うために薬剤師・内科とのかかわりに関しての調査が必要になってきます。
 特に食事を摂ることが難しくなっている場合、栄養サポートチーム(NST)として様々な角度から困っている方の状態を把握し、一つの分野だけで治療方針を決定するのではなく、チームとして治療に取り込む姿勢が必要になってきます。

ページの先頭へ