本ページは、前回(平成30年12月3日更新分『MCI(経度認知障害)Part2』)、及び前々回(平成30年11月5日更新分『MCI(経度認知障害)Part1』)に記載したMCI(軽度認知障害)に関連した第三弾としての内容です。
MCIとは、物忘れはあるが、日常生活への影響はほとんどなく、認知症とは判断できない状態を言い、そのまま放置した状態が続けば認知症に移行し、MCIの状態で早期発見・対策が行われれば正常に回復(あるいは長期間MCIを保持)することが期待できます。
※MCIは、年間10%~15%が認知症に移行すると言われています。
MCI対策として、前回までお話ししてきた予防方法に加え、健康な方でも脳の活性化にも共通する『栄養』・『運動』・『コミュニケーション』が大切と考えられますので、それについて説明します。
≪栄養≫
MCIや認知症の予防に有効と考えられている栄養素・食生活要因
○ビタミンB群(ビタミンB1・ビタミンB6・ビタミンB12・葉酸)
○ビタミンD
○抗酸化物質(ビタミンC・ビタミンE・ポリフェノールなど)
○魚油(オメガ3系脂肪酸)
(上記の栄養素は魚介類・豆類・緑黄色野菜・果物などに多く含まれており、この
ような食材を豊富に含む地中海食や日本食も健康長寿食として注目されています)
○緑茶
○α-GPC(アルファグリセロホスホコリン)
○ホスファチジルセリン
○イチョウ葉
≪運動≫
認知機能の低下を防ぐためには、適切な栄養補給に加えて運動が重要であると考えられています。
○筋肉トレーニング
(筋肉に負荷をかける)
○ウォーキング
(早歩き、上り下りのある道を選ぶ)
○簡単な有酸素運動
(ヨガ・踏み台または階段昇降・つかまりスクワット・水中ウォーキング)
≪コミュニケーション≫
家族や友人、近隣住民などの周囲の人とかかわること(社会的ネットワーク)を大切にする。
独居で近隣との付き合いがない場合でも、町内集会や老人クラブなどに積極的に参加するようにする。
≪まとめ≫
MCIの段階では対策によって、認知症へ移行しないことが解ってきていますので、積極的に対策に取り組むことで正常な認知機能を持つ高齢者が増加し、認知症の発症を減らす可能性が高くなります。
もちろん、MCIになる前から食生活・生活習慣の見直し、栄養・運動・コミュニケーションを心がけていただきたいと思います。
平成31年1月7日更新