唾液の成分には、無機物質・有機物質や酸素などが多く含まれていて、それらの成分には、色々な作用があります。
歯科においては、緩衝作用、再石灰化作用、殺菌・抗菌作用、自浄作用が大切になってきます。
唾液の作用
唾液の作用 |
作用の内容 |
緩衝作用 | お口の中に食べ物が入ると、虫歯は糖分を取り込み、ネバネバした状態(歯垢)で、歯に付いて酸を出しますが、その酸を唾液が中和して、エナメル質が溶け出す(脱灰)のを防ぎます。 |
再石灰化 | 歯のエナメル質表面から溶け出した歯の成分であるカルシウム(CA)やリン(P)を、元のエナメル質に戻し、更に表面にできた細かい傷を修復します。 |
殺菌・抗菌作用 | 抗菌成分(ラクトフェリンなど)が、ウイルス・虫歯菌・歯周病菌などを防ぎ、更に発がん性物質を抑制します。 |
自浄作用 | 食後、お口の中に残った食べかすを洗い流します。 |
※唾液腺から出た直ぐの唾液は綺麗で、唾液が出ることは色々な作用があり良いことですが、お口の中が汚れていると、その効果はあまり期待できなくなります。
お口の中を清潔にし、質の良い綺麗な唾液を出すことが大切になります。
唾液が出にくくなる原因・唾液を出す方法
原 因 |
詳細 |
原因に対する唾液の出す方法 |
加 齢 | 年齢と共に唾液の出る量が少なくなります。 |
○ゆっくり噛んで食事に時間をかけ、噛む回数を増やす。 ○食前・就寝前の唾液腺マッサージ。 ○おしべりをする。 |
薬 剤 | お薬の副作用により、唾液が出にくくなります。 |
○かかりつけ医に相談の上、お薬の種類を変えてもらう。 ○食前・就寝前の唾液腺マッサージ。 |
緊張 ストレス |
唾液の量は、自律神経によってコントロールされていますが、緊張・ストレスにより自律神経が乱れ、唾液が出にくくなります。(若い頃に比べて10kg以上体重が増えた人は要注) | ○生活習慣の改善。 ○食事内容の見直し。(バランスの良い物をとる) |
唾液の分泌量の低下による体への影響
○抗菌力の低下により唾液の質が悪くなり、体にウイルス・細菌が入り、病気になりやすくなる。
○お口の中で、細菌が繁殖しやすくなり、虫歯・歯周病になりやすく、口臭の原因にもなる。
○慢性化すると口腔乾燥症(ドライマウス)を引き起こす。特に女性に多く見られる。
○高齢者は、喉が渇きやすく、物も飲み込みにくくなり、誤嚥性肺炎を起こしやすくなる。