医療法人デンタルクリニックたかはし




 私たちは食事をするとき、まず食べ物を口に運ぶ前に『匂い・色・温度・嗜好など』を確認してから口に運び、歯・舌・粘膜(唇・頬)・筋肉(咀嚼筋)を使いながらよく噛んで『飲み込みやすい(ドロドロ)状態』にし、『上アゴと舌で押しつぶしながら咽頭へ送り』、誤嚥しないように、一瞬、気道が閉じて食道側へ流れ込み、胃に運ばれていきます。食事の時は、毎回この一連の嚥下動作が繰り返し(1日に500回~600回)行われています。
 時には急いで食べたり、飲んだりしてむせたり、気管に入りそうになったりしますが、健康な方はその様なときには必ず咳をして出そうとします。また、唾液が出ていれば(1日に800~1,500ml)自浄作用により自然に物は流れていきます。健康で自然に飲み込むこと(嚥下)ができていれば『食べること・・・』に問題を感じることなく食事をすることができます。
 全国の介護施設の入所者アンケートにおいて、施設での楽しみの第一位は『食べること』という結果がでていますが、私たちにとって『食べること』は生きていく上で大切なことであり、楽しみの一つでもあるということです。
 しかし、何らかの理由(病気・障害・後遺症・損傷など)で無意識下に行われていた一連の動作に問題が生じると食事に時間がかかったり、食事中むせたり、咳きこんだりする回数が増え、上手く飲み込むことが困難になってきます。このような微候が見られる場合は、嚥下障害・誤嚥・不顕性誤嚥が起きている可能性が高く、普段通りの食事が困難になるため、食事の観察(姿勢・食器具の位置・一口量・食事形態の見直し)が必要になります。

●姿勢について


●食器について


●食事の形態について

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