最近、食品のパッケージに『ゼロカロリー・カロリーゼロ・カロリーオフ・低カロリー・ノンシュガー・シュガーレス・無糖』など、『ゼロ・ノン・レス・オフ・無』等などの表示を目にすることが多くなってきています。
私たちは、このような言葉に弱く、特にダイエット中の方には、気になる言葉ではないでしょうか。また、カロリーゼロのような表示には、思わず手が伸びてしまうのではないでしょうか。
低カロリー商品の魅力は、カロリーゼロなのに甘い味を楽しむことができるところです。その理由は、糖アルコール(ソルビトール・マルチトール)、非糖質系天然甘味料(ステビア)、非糖質系合成甘味料(サッカリン・アスパテーム)等で甘味を補っている場合が多いからです。砂糖と比べると、ステビアは約200倍、サッカリンは約300~400倍の甘さがあります。しかもカロリーは、砂糖の100分の1程度という素材です。しかし、残念なことに人間の身体は、カロリーの有無に関わらず、脂肪を蓄えるようにできています。つまり、これらを継続的に摂ると、かえって身体は太りやすくなり、低カロリーを気にしても痩せられない理由はここにある訳です。
糖においては、『糖類』と『糖質』に分かれます。『糖類』はブドウ糖や果糖などの単糖類と、砂糖・乳糖・麦芽糖等の二糖類のことを言います。『糖質』は『糖類』に加え、でんぷん・オリゴ糖・糖アルコールを含めたものです。つまり、糖類<糖質ということになります。
他にも、無糖・ノンシュガー・シュガーレスなどの表記を見ることがあると思いますが、この場合のシュガーは砂糖ではなく、糖類全般を指す言葉で、例えばシュガーレス=糖類ゼロになります。しかし、このような表記のものは、まったくのゼロということではありません。
健康増進法に基づく栄養表示基準精度によると、食品100g飲料100mlあたりの糖類が0.5g未満であった場合、無糖・ノンシュガー・シュガーレスと表記することがでます。
糖類が必要でない商品を求める場合は、この表記に惑わされず、まずはパッケージに示されている成分表示を見て、糖類0gかどうかを確認することが大切です。
例
この成分表示の場合、『無糖』・『ノンシュガー』・『ジュガーレス』と表示することができます。
栄養成分名 | 基準値 |
たんぱく質 | 0.5g |
脂質 | 0.5g |
飽和脂肪酸 | 0.1g |
炭水化物 | 5mg |
糖質 | 0.4g |
糖類 | 0.4g |
ナトリウム | 5mg |
熱量(エネルギー) | 4kcal |
例えば、ガムのパッケージに『キシリトール入り』と表記されていても100%入っている訳ではありません。このような場合、ほとんどが数%しか入っていないことが多いので、必ず成分表示を見ることが大切です。また、キシリトール50%入りと表記されている場合、いくつ食べても50%には変わりません。
私たちは食事を摂ると、糖質はエネルギーに変換されます。しかし、糖質の代わりに人口甘味料を摂取しても、カロリーが無いため、インスリンが分泌されてもエネルギーに交換できず、自然に身体がエネルギーを要求し、食欲を増進させてしまいます。
また、インスリンを分泌しても実際身体にはエネルギーに交換する糖が無いため、身体はこの嘘の摂取に気付き、インスリンを出す機能がだんだん衰えてしまいます。そうなると、実際にエネルギートなる砂糖が入ってきてもインスリンが分泌しにくくなり、エネルギーとして使われず、身体に脂肪として蓄積されてしまいます。
結局、悪循環となり身体に異常が現れます。
これから商品を選ぶときは、パッケージの成分表示などを見る癖をつけることが必要かもしれません。