医療法人デンタルクリニックたかはし





中国からの大気汚染PM2.5(スモッグ) 

 現在、中国のスモッグは、石炭(70%)・排気ガス(20%)・暖房・工場からの影響で発生しています。
 特に、石炭は、中国のエネルギー源として、飲食店や工場まで今でも幅広く使われていて、この石炭から出るSO₂ (亜硫酸ガス)に対する対策が十分でないため大気汚染へとつながっています。その中でも、PM2.5が体に影響を及ぼし、日本へ飛来していることから今話題になっています。
 PM2.5とは、P=Particulate M=Matter(微小粒子状物質)の略で、2.5マイクロメートル以下の物質のことを言います。(1マイクロメートル=1ミリメートルの1000分の1)具体的には、人間の髪の毛よりもはるかに小さく、スギ花粉と比べても10分の1以下の大きさです。
 通常、人間の体は、体内に入ってくる小さな粒子を、鼻や喉の粘膜で吸着し、一部を体外へ排出します。
 しかし、PM2.5のような更に微小な粒子は、その多くが肺の奥まで到達してしまいます。
 このような汚染が長期的に続くと、健康に害を及ぼし、特にアレルギー反応を強くする恐れがあるため、心配されています。
 つまり、花粉症・ぜんそく・アトピーが悪化したり、花粉症でない方も発症しやすくなる可能性があるということです。
 現在、すでにエアロゾル(PM2.5などの大気中に浮遊した粒子)として、中国に近い九州から東北地方まで広がっています。
 また、これから移動性高気圧や低気圧として、日本へ大陸からの空気が流れてくるため、気象条件によってはエアロゾルが日本に留まる可能性があります。
 そして、スギ花粉が飛ぶ時期には、汚染物質に加え黄砂も飛来し、これらが合わさって更にアレルギー症状が悪化する可能性が高くなります。今の段階では、体内に入ったPM2.5のような汚染物質を取り除く薬がないので、体内へ入らないようにするための自己管理と、これからの季節や天候に注意が必要になってきます。

マスクによる花粉症対策

 一般的に花粉症対策として、よく使用されているのがマスクですが、本当にその効果はあるのでしょうか。
 ウイルスは、普通のマスクをしていても空気の流れに乗って入ってくるため、マスクに少しでも隙間があれば、口や鼻にたどり着いてしまいます。
 花粉は、ウイルスと比べ粒子が大きく、ウイルスのように空気の流れには乗ることができないため、直進してぶつかり、あたったところ(マスクや皮膚)に付着してしまうので口や鼻までたどり着くことができません。このことから、マスクがゆるい状態であっても口や鼻を覆っていれば、効果があるということになります。
 しかし、日によってマスクをしてあまり効果を感じない人がいるのはなぜでしょうか。
 実は、花粉症の原因は花粉だけではないために、普通のマスクで防げる日と防げない日があることが解ってきました。
 それは、花粉に雨が加わると、花粉の粒子が巨大化して爆発し、10分の1以下(ウイルスサイズ)になって細かい粒子を作り、危険な物質に変化してしまうからです。
 私たちは、雨が降ると花粉が飛散しないようなイメージがあります。確かに、雨の日は、花粉も飛散することが少なく、飛んで地面に落ちてしまうため、数が減少します。ところが、雨が降った翌日に、細かい粒子となった花粉が飛散します。
 つまり、雨の日の翌日から2~3日は、普通のマスクでは効果がなくなり、フィットしたマスクの強化が必要になるということです。特に道路際の側溝などは、雨で流された花粉が溜まりやすいので、花粉症の方は近寄らないように注意が必要です。

◎花粉に効果を上げるマスクのポイント
 雨の翌日から2~3日は、ぴったりフィットしたマスクをつける。
◎PM2.5や花粉の細かい粒子に役立つマスクのポイント
 細かい粒子なので、マスクが何層になっていても隙間があれば効果はありません。
 PM2.5などの有害物質や花粉から体を守るためにも自分の顔にぴったりフィットした
 マスクを早く見つけて用意しておくことが大切です。

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