超高齢者社会において、増加傾向にある病気の一つに認知症があります。
日常生活において、加齢による生理的な変化と認知症を簡単に区別することは難しいことですが、このような変化が少なくとも半年前と比較して目立つようであれば認知症を疑う必要があると考えられます。
ここで問題になってくるのは、単身や独居の方で、このような変化が起きていても気付かれず進行しているケースが多く、今後ますます増加する傾向にあります。初期の段階で気付いてあげることがいかに重要かということから、できるだけ家族や周囲が注意して観察してあげる必要があります。
簡単な見分け方として以下の表を参考にしてください。
◎家族が認知症を疑うきっかけとなった変化
きっかけとなった変化 |
統計 |
忘れ物・物忘れ・置き忘れを頻繁にするようになった |
74.6% |
時間や日にちが分からなくなった(忘れるようになった) |
52.9% |
仕事や家事が以前のようにできなくなり、支障をきたすようになった |
46.7% |
クレジットカードや銀行通帳の取り扱いができなくなった |
29.5% |
服薬がきちんとできなくなった |
28.4% |
ふさぎこんで、何をするのもおっくうがり、嫌がるようになった |
26.5% |
気候に合った服を選んで着ることができなくなった |
19.6% |
入浴しても洗髪が困難になった |
13.5% |
◎加齢に伴う忘れと認知症の物忘れの比較
加齢に伴う物忘れ |
アルツハイマー型認知症の物忘れ |
体験の一部を忘れる |
全体を忘れる |
記憶障害のみがみられる |
記憶障害に加えて判断の障害や実行機能障害がある |
物忘れを自覚している |
物忘れの自覚に乏しい |
探し物を努力して見つけようとする |
探し物も誰かが盗ったと言うことがある |
見当識障害は見られない |
見当識障害がみられる |
取り繕いはみられない |
しばしば取り繕いがみられる |
日常生活に支障はない |
日常生活に支障をきたす |
きわめて徐々にしか進行しない |
進行性である |