医療法人デンタルクリニックたかはし





 
 人間は汗をかくと、その汗が蒸発することで気化熱として熱が奪われ、体温が下がります。気温が高くても湿度が低い状態であれば、それほど暑さを感じませんが、湿度が高くなればなるほど汗をかいても蒸散しないため、皮膚が湿ったままの状態になり体感温度は高くなります。気温がいつもより低いから大丈夫と思わず、湿度も気にしながら(必要であれば除湿をしながら)温度を調整をすることが大切です。
 『湿度が10%上がると体感温度は1℃上がる』と言われているように、体感温度を下げるには湿度を抑える必要があります。また、暑い場合は、エアコンで急激に冷やすのではなく、室内温度を全体に下げるためにも扇風機やサーキュレーターを利用し、エアコンの設定温度を少し高くして使用するような見直しも必要です。



 人の体温は、測定する場所によって異なります。体の表面温度を『皮膚温』、脳や内臓などの体の内部の温度を『深部体温』と言います。皮膚温は、体の中心部から離れている部分(手足)ほど室温の影響を受けて低くなります。また、最近の夏の気温は、体温よりも高い状態になる場合が多いので、外の熱が体内に入ってこもることで深部体温が下がらない状態が続き、熱中症になってしまいます。




≪深部体温を下げる方法≫
 これまで熱中症に対する処置としては、大きな血管が通る首・腋の下などを冷やすと効率的と言われてきましたが、さらに『手のひら』を冷やすことで、これまでよりもっと効率的であることが実験結果で分かってきました。また、手のひら以外にも『足の裏』『ほお』を冷やしても深部体温が下がることも分かっています。




≪アイススラリー効果≫
 アイススラリーとは、水や薄めのスポーツドリンクを製氷したものをミキサーで砕き、砕いたものと凍らす前のものを3対1の割合で混ぜてシャーベット状にしたもの。水分だけと違い、飲んだ後もまとわりつくような状態で体内に残るため、体内から効果的に冷やし、同時に水分補給もできます。また、運動前に飲んでおくと発汗量が減り、脱水症状を抑えることもできます。
 アイススラリーは、少量で効率よく体温を下げるので、飲み過ぎず胃腸への負担も少なくなります。ただし、血圧・血糖値が高い方はお勧めではありません。



※枠をクリックすると、上記説明が拡大表示されます。

令和元年9月5日更新


ページの先頭へ