医療法人デンタルクリニックたかはし





 今回は、骨粗しょう症のお薬を飲まれている場合の歯科治療における注意点についての内容になっています。
 私たちは、日頃から注意して生活していても、ふとした時に事故が起き、それが年齢と共に増加し、回復する期間も長期にわたってしまうことがあります。高齢になるにつれて注意しなければならないのが骨折です。特に骨粗しょう症が原因となる骨折は注意が必要です。
 骨粗しょう症は、簡単に言うと骨がスカスカになって弱くなり、骨折しやすくなる病気です。
 特に閉経後の女性に多くみられ、加齢と共に増加していきます。原因は、カルシュウムの摂取不足・ビタミンDの摂取不足・栄養不足・運動不足などが挙げられます。
 骨粗しょう症に用いられるお薬としては、ビスフォスフォネート系薬剤(以下BP製剤)がありますが、この薬による影響で顎骨壊死(骨が腐る)・顎骨骨髄炎を起こすことがあります。特に歯科においては、抜歯や外科処置などの侵襲的な歯科治療や局所感染に関連して発現しています。
経 口 剤 注 射 剤
アクトネル アレディア
アレンドロン酸 ゾメタ
ダイドロネル テイロック
フォッサマック パニドロン酸ニNa
ベネット プラリア
ボナロン ボナロン
ボノテオ ボンビバ
リカルボン ランマーク
リセドロン酸Na
リセドロン酸Na塩
リセドロン酸ナトリウム  

 上記のBP製剤を使用されている方は、アゴの骨がお口の中の常在菌によって感染しやすいということから、口腔清掃による口腔管理を徹底することで、顎骨壊死・顎骨骨髄炎の発現頻度を低下させることができると考えられています。つまり、このお薬を使用されている方は、使用されていない方に比べてお口の中を常に清潔に保つよう、気にしなければならないということです。
 また、BP製剤を使用されている方で抜歯をしなければいけない場合には、かかりつけ医と相談の上、抜歯を行うことになります。一般的にBP製剤を使用されている方の抜歯は、3カ月間お薬を止めてからになります。
 一般的に骨折予防というと、カルシウム不足が挙げられ、カルシウムだけを摂ろうとしてしまいますが、年齢と共にカルシウムの吸収量が落ちてしまうため、ただ摂るだけでは吸収されません。カルシウムの吸収を高めるためにはビタミンDを一緒に摂ることをお勧めします。
 ビタミンDには、『骨をつくる骨芽細胞の働きを助ける』・『腸からカルシウムの吸収をよくする』・『尿でカルシウムが捨てられないようにする』・『筋肉に作用して転倒しにくくする』などの効果があります。
 また、野菜にはカルシウム、魚やキノコにはビタミンDが含まれていますので、野菜・魚・キノコなどをバランスよく摂るような食生活に変えていただくことで予防に繋がると考えられます。
 高齢化社会に向け、今は大丈夫であっても一足先の予防を心掛けましょう。

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