医療法人デンタルクリニックたかはし





 妊婦さんは、お腹の中で子供が順調に育つように、食事や動作に気を付けて日々過ごしていると思います。
また、妊娠中は、色々なことが起こりやすく、ちょっとしたことでも子供への影響がないか気になると思います。
 ほとんどの病院では、妊婦さん向けのセミナーが開かれ、妊婦さんはもちろん家族が一緒になって色々なことを学び、出産に向けての準備をしています。
 歯科において注意しなければならいことは、妊婦さんのお口の健康状態が悪いと自分自身はもちろんですが、胎児へ影響を及ぼすことが解っています。特に歯周病の原因となる歯周病菌や炎症物質は、妊娠中の母親のお口の状態を悪化させるだけでなく、歯茎の毛細血管を通って全身に広がり、やがて胎児に入って早産や低体重児の原因になることが解っています。
 また、普段の生活の中で見落としてしまっている注意事項として、最近テレビ等で話題にもなっていますが、トキソプラズマと言う寄生虫による感染症です。
 普段健康な方であれば感染しても症状はでないか軽い場合がほとんどなので問題ありませんが、妊娠中に初めて感染すると、胎盤から血液を通して胎児にトキソプラズマがうつり、脳や目に障害が出る先天性トキソプラズマ症で生まれてくる可能性が高くなります。
 普段から注意しなければならないことを守ることで予防できるため、家族や周りの人たちも気をつけ、妊婦さんが安心して出産に備えられる環境をつくることが大切です。

トキソプラズマの感染経路

○十分加熱されていない肉生肉はもちろん、生ハムやレアのステーキなどでも感染する可能性があります。
○猫のふん猫のふんが混じった土をいじる作業を通じて、口に入って感染する可能性があります。
※感染した人から別の人へと感染する心配はありません。

トキソプラズマの感染予防

○お肉は中までしっかり火を通す。
○ガーデニングなどをするときは手袋をして終わったらよく手を洗う。
※猫のふんによる感染は、加熱が不十分な肉を食べるほどリスクはありません。
 妊娠中で猫を飼っている方は、念のためふんを扱うときは手袋をしたり、猫を外に出さない等の注意をした方が安全です。

妊娠中にトキソプラズマに感染してしまった場合

○トキソプラズマに感染していることを示す抗体検査を行い、もし感染していれば感染した時期を特定するため、さらに詳しい検査をします。妊娠後の感染が疑われれば、トキソプラズマが胎盤から胎児にうつるリスクを減らすお薬を出産まで飲むことで、胎児に重い症状が出る確率を 7分の1まで抑えることができます。

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