医療法人デンタルクリニックたかはし





 内臓脂肪型肥満により、さまざまな病気を引き起こしやすくなっている状態を『メタボリックシンドローム』と言います。2008年に特定健康診査がスタートしたこともあり、この言葉はあっという間に世の中に広まり浸透していきました。
 歯科においてもメタボリックシンドロームについては、改善対策として生活習慣の見直しから歯周病との関連や、しっかりバランス良く時間をかけて噛むことで肥満をなくし、他の疾患の発症率を下げるための指導を行っています。
 そして、医学の分野でメタボリックシンドロームの次に注目されているのが『ロコモティブシンドローム』です。ロコモティブシンドロームとは、『運動器の障害により、要介護になる危険性の高い状態のこと』をいいます。 運動器とは、『身体活動を担う筋・骨格・神経系の総称で、筋肉、、靭帯、骨、関節、神経、脈管系などの身体運動に関わる色々な組織・器官の機能的連合のこと』を言います。
 運動器は、それぞれが連携して働いているため、どの一つが悪くなっても身体はうまく働かないようになっています。また、運動器の障害は、高齢になって突然現れるものではなく、若い頃からの生活環境や生活習慣によって大きな影響を受け、徐々に運動能力が低下し、加齢と共に現れてきます。
 高齢化社会においては、高齢者の増加と共に要介護になるリスクも高くなり、運動器の障害や疾患が即要介護状態に繋がってしまうこともあります。現在、健康体であってもこれまでの生活習慣や生活環境などの影響によって、運動能力の低下を招く疾患になりやすい状態をつくってしまっているかもしれないため安心はできません。
 ロコモティブシンドロームの予防策としては、加齢が原因である場合は難しいかもしれませんが、運動機能の低下を招く可能性のある疾患の予防方法とほとんど変わりはありません。年齢が若くても食生活の変化・食生活の乱れ、ストレスを受けやすい環境におかれていることで、年齢よりも早い段階で症状が現れてしまうこともあります。そのためにも、年齢を問わず早い時期から生活習慣・生活環境に目を向けていくことが大切になります。つまり、ロコモティブシンドロームの予防策は、メタボリックシンドロームと同じように一つの対策を取るだけでなく、早い段階での総合的な予防がさまざまな疾病への予防策に繋がっていくということです。
 高齢化社会においては、要介護になる可能性が高く、できるだけ要介護が必要にならないようにするためにも、自分の予防策を早い段階から考えていくことを心がけ、これからもっと身体・環境・情報など、身の回りのことについて関心を持つことが大切です。

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