医療法人デンタルクリニックたかはし





 私たちは、物を咬むとき左右でバランス良く咬んでいるでしょうか。
 利き手・利き足があるように、咬みクセがあってもおかしくはありません。
 咬みクセは、あまり気にしていない方が多いようですが、実際に咬みクセはほとんどの方であります。
 例えば、食事のとき右利きの方は、右側から食べ物を口に運ぶので、口に入った時に食べ物は左側に入りやすくなります。この時、左側に咬みクセがある方は、そのまま左側で咬んで食べますが、右側に咬みクセがある方は、舌で食べ物を右側に運んでから食べます。
 咬みクセがあれば、必ず一口目から利き側で咬もうとします。
 このような何気ない行為でも習慣的に行われるようになると、最初のころは気にしていても時間が経つにつれて気にしなくなっていきます。これが無意識に行われるようになると、悪いクセになっていきます。
 そして、無意識に行われている行為が、悪いクセだと注意されて、急に治そうと反対側で咬んでみると、ほっぺや舌を咬んでしまい、また咬みやすい側にもどります。
 このように習慣的におこなわれてきた行為は、すでに口の中で歯・粘膜・舌の動きが変化し簡単に元の状態に戻すことが難しくなります。
 特に咬みクセは、自分の口の中で行われているため、周りから注意されることもなく、自分だけしか解りません。見た目は何もなくても、咬みクセが原因で咬み合わせが悪くなり全身へ影響していくことも多くなってきています。
 このようなことが起こらないためにも、普段から意識した咬みかたの注意が必要になります。
 野球のバッターを例に上げると、右打ちの人は、試合中は右だけで打ちますが、練習中は右だけで素振りをするのではなく、必ず左でも同じ回数の素振りをします。
 これは、体のねじれ・腰への影響・体のバランスのことを前もって考えて行われているからです。
 咬みクセも意識して食事をするようにすれば、習慣性はなくなってくると思いますが、アゴがずれたり、歯の咬む面が減ってしまったり、体が傾いてしまったり、影響がでてしまっていると、なかなか元に戻すことができません。
 生きていく上ではなんら問題ないことのように思われますが、健康なバランスのとれた体で生活していく上では、問題になってくるのではないでしょうか。
  全身に影響しないうちに習慣性の悪いクセは治しましょう。

左右のバランス良く咬めない理由

○かぶせ物が外れたままの状態や、歯と歯の間に隙間があるので、食べた物が詰まりやすく、詰まりに くい側を使ってしまう。また、その部分を舌で触ってしまう。
○片側にしか歯が残っていないため、または片側の方が多く歯が残っているので、片側ばかり使ってしまいやすい。
 以前、歯がない部分は、部分義歯を入れていたが、使いにくいので今は入れていない。
○奥歯が無く、入れ歯も入れていないので前歯しか咬めない。
○歯並びが悪いため、しっかり咬めず、どこで咬んでいいのかわからない。
○歯が動いているので、動いていない側で食べてしまう。
○全体的に歯が動いているので、どこで咬んでいいのかわからず、食事は飲み込んで食べることが多くなってきている。
※この他にも色々な理由で咬みクセは、つきやすくなります。気になったら、かかりつけ歯科医に相談しましょう。

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