医療法人デンタルクリニックたかはし





 現代の食べ物は、以前に比べ柔らかいものが多く、その物本来の糖分だけでなく、それ以上の糖分を加えた加工食品が増えてきています。そのため、毎日の食事を気にしていかないと糖質過多になる可能性が高くなります。この糖質過多な環境に慣れてしまうと、少しの甘さでは甘味を感じなくなり、それが継続されれば体重が増え始め、徐々に体へ影響が及び、メタボリック症候群・糖尿病などから合併症へと進行していきます。
まさに生活環境によって起こった現代病です。
 そもそも、なぜ私たちは糖分をたくさん摂ってしまうのでしょうか。そこには糖との深い関わりがあるようです。
人間は、生命を維持していくためにブドウ糖をエネルギー源としています。そのために、体がエネルギー源となる炭水化物を摂るように働きかけているからなのです。ただし、現代では、それが過剰になり過ぎているため、日本人のほとんどが糖質過多になっています。人間にとってエネルギー源として本当に必要な糖質量は、ほんのわずかな量で大丈夫なのです。
 正常な体系を保つためには食事制限=カロリー制限というイメージがありますが、カロリー制限は食べたいものも制限され食事が楽しくなくなり、食べることが好きな人には気力さえ失ってしまう場合もあります。実は、カロリーだけを制限しても糖質を制限しなければ効果は期待できません。カロリーを考えた食事を摂ると食べる量が減るため、当然体重も減るので効果が出ているように思えますが、食事の量による変化だけで、体の中はあまり変化していないのです。今まではカロリーの高い食事が太るように思われ、カロリー制限を必要としてきましたが、糖質制限をしないと痩せることができないことが分かってきています。
 私たちが糖質制限で最も気をつけなければいけない食べ物は、炭水化物です。日本人のほとんどが炭水化物依存症と言われています。炭水化物は、たんぱく質・脂質と並ぶ三大栄養素の一つで、糖とは関係のないように思われますが、消化吸収される糖質と消化吸収されない食物繊維に分けられ、実は糖分をたっぷり含んだ栄養素なのです。

※炭水化物=糖質+食物繊維 

            例・・・お米

糖質:食物繊維=9:1

 柔らかい食べ物(ごはん・うどん・そば・そうめんなど)でもある炭水化物は、食べやすくたくさん食べて満腹感が得られてもすぐにお腹が減り、また食べてしまうという悪循環を繰り返してしまいます。炭水化物は、エネルギー源にもなるため、決して食べることがよくないのではなく、糖分であるということをよく理解し、カロリーよりも糖分を控えるようなメニューを考えることが大切です。
 例えば、そばとステーキがあり体重を気にしている人ならどちらを選ぶかと言えば、カロリーの少ないそばを選ぶと思います。しかし、そばは、ほとんどが炭水化物で糖分たっぷりであるのに対して、ステーキはたんぱく質と脂質で糖分はゼロに近く、どちらが太るかと言えば、そばの方になります。このように日頃から、カロリーだけを気にしてしまう癖がついてしまい、太る原因の糖分を見落としてきていたのです。
 これからの生活習慣の見直しには、糖分(特に炭水化物)を意識し、たんぱく質中心のおかずで、野菜・海草・きのこなどを加えたバランスの良い食事を摂っていくことをお勧めします。そして、ゆっくり左右でよく噛むこともお勧めします。

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