医療法人デンタルクリニックたかはし





 三大栄養素(炭水化物・脂肪・タンパク質)である炭水化物は、見た目では分かりにくい糖質をたくさん含むため、ダイエットでは脂肪同様に、いつも避けられてしまう存在ではないしょうか。
 実は炭水化物に含まれる糖質は、ただ体を太らせるだけの糖質ではなく、脳を動かす唯一のエネルギーだったのです。
 例えば、炭水化物を1日に2,000Kcal摂った場合、2割にあたる400Kcalが脳のエネルギーとして使われています。つまり、おにぎり約2.5個分は絶対脳にとって必要になるわけです。その糖質は、4倍の水分と結合し、グリコーゲンとして体内の筋肉の一部として貯蔵されています。だから筋肉はみずみずしい状態を保つことができるのです。
 しかし、炭水化物を抜くダイエットを始めると脳を動かす糖質が不足してしまい、まず肝臓に貯蔵していた糖質を使いますが、当然すぐなくなってしまうので、筋肉に貯蔵していたグリコーゲンを水と糖質に分解し、脳のエネルギーとして使ってしまうのです。そのため、炭水化物を抜くと体重は劇的に落ちますが、それは筋肉のグリコーゲンが分解されて水が体から出て行ってしまうため、炭水化物を抜くと体重が減るのです。たまに炭水化物をたくさん食べると糖質が4倍の水と結合するため、体重が急に増えます。それを繰り返していると、『ご飯を食べると太る・・・』、『ご飯を抜くと痩せる・・・』という経験をしているだけで、実は炭水化物を抜いて体重が落ちているのは、水分がなくなった分、
体重が減っただけのことだったのです。
 炭水化物を抜いた食生活は、筋肉がだんだん痩せ細り、体重は減りますが脂肪の量は変わらないため、いわゆる『隠れ肥満の状態』になります。また、脳に栄養がいかなくなると頭がボーッとしてしまうため、仕事に集中できなくなったり、学生であれば授業に集中できなくなったり、日常生活に影響が出てきます。
 死のリスクを比べてみると、炭水化物を食べ続けた人に比べ、低炭水化物を食べ続けた人は、男性で1.5倍、女性で1.35倍も高くなることが分かっています。
 つまり、適量の炭水化物をしっかり摂っている方があまり脂肪やタンパク質を気にして摂らなくても良く、長生きするということになります。逆に炭水化物が少ないと、多めに脂肪やタンパク質を摂らなければならなくなり、このような食生活をしていると隠れ肥満やガンになる確率が高くなるということになります。ただし、炭水化物の摂り過ぎは要注意です。

隠れ肥満が分かるポイント

 体脂肪率を測らなくても、隠れ肥満が分かる方法があります。それは足首を見ることです。
 炭水化物を抜いて筋肉が痩せ細ってしまう分、重力の影響で足首の周りの筋肉が下へ引っ張られるため、以前より足首が太く見えます。正面から確認する場合は、足首まで見える鏡の前に立って太く感じるようであれば要注意です。

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