ここではヘルパーさん(介助者)向けの口腔ケアについて、幾つかの注意点を上げさせていただきます。
食事介助と口腔ケアはセットで・・・
時間が無い場合は、うがいでも結構ですので、させてあげて下さい。うがいのできない方については、濡らした綿棒・ガーゼ等で、お口の中を拭いてあげて下さい。
※ヘルパーさん(介助者)は限られた時間内で、色々な仕事をしなければならないので大変かと思いますが、介護を受ける方、される方双方のためにも以下の例を記憶の片隅にでも憶え置きをお願いします。
例えば、ある程度のことがご自分でできる方であれば、食後に歯ブラシを渡して、自分で一通り磨いていただき、その後、仕上げ磨きをしてあげるようにして下さい。
全て『介助ケアをしてあげなければ・・・』ということにとらわれず、介護を受ける方ご自身で、手を動かしたり、うがいをすることは、口周囲の筋肉や脳に刺激を与え、良いリハビリにもなりますので、できることは本人にお任せし、無理な部分を補ってあげることが大切です。
お口の中の環境は、一人一人異なるので、その人の環境に合わせた対応が大切になります。
胃ろうの方こそ口腔ケアが大切!
介護を必要とする人の中には、お口を動かさない方がいます。その場合、唾液が出なくなり、細菌が増殖します。
また、唾液の分泌量の低下、唾液による自浄作用の低下等により、唾液分泌量の低下からくる細菌の増殖が引き金となった疾患等の発生が想定され、医科との連携も重要となります。
それだけに口腔ケアが大切となます。
口腔ケアは最初が肝心!
お口の中を拭いたり、歯磨きをするとき、『あそこも、ここも・・・』と、あまり細かいところに拘らず、力を入れないで、介護を受ける方が『お口の中がさっぱりした・・・心地良い感じ・・・』を味わっていただくことを最優先して下さい。
ここで、歯ブラシが喉の奥にあたって嘔吐反射を起こしたり、強く磨き過ぎて痛い思いをすると、今後、口腔ケアを拒否されることがあります。
練習方法としては、自分の家族(介助する方・ヘルパーさんの・・・)に仕上げ磨きをしたり、仕事仲間同士で磨きあったりし、力の入れ具合を確認し合うことが大切です。
介護を受ける方が心地良い印象を持ってもらうため、最初に口腔ケアをする側が最も肝心になりますので、どうか注意してください。
介護を受ける方の入れ歯をよく見て・・・
介護を受ける方の入れ歯が、黒っぽくなっていたり、白い物が沢山ついていたら、必ず洗ってあげて下さい。
その場合、素手ではなく、ビニール製の使い捨て手袋を付け、歯ブラシ、または義歯用歯ブラシで、歯磨き粉は付けず(もし付けるのであれば台所用洗剤で)磨いて下さい。
汚れがこびり付いていたり、暫く磨いた形跡が無い場合は、ゴシゴシ磨かないと綺麗に歯なりません。
ある程度綺麗になったら、入れ歯洗浄剤等を使い、除菌をすればもっとも良いと思います。
それでも取れない汚れや歯石と思われるものが付いている場合は、ケアマネージャさん経由で、歯科医院に相談してみて下さい。