歯磨きは、毎日家庭でできる予防の基本でありますが、なかなか自分に合った歯ブラシに出会えない方が多いように思われます。
そこで、自分のお口の環境に合うように歯ブラシを自分でカスタマイズし、歯磨きの予防効果を上げる方法をお見せします。
歯ブラシを買うときの注意点
①毛の硬さ
②毛の配列
③ヘッドの大きさ
④ネックの角度
⑤グリップの長さ・太さ
例
歯周病が気になるので、歯周ポケットに毛先が入るような歯ブラシを買いに行きました。
◎選んだ歯ブラシ
①毛先が細く、硬さが普通のタイプ(希望どおり)
②できればもう少し縦の毛の配列が少ないタイプが欲しかったが・・・
毛先が細いタイプにはなかったので諦める(やや不満)
③奥まで磨きやすいようにヘッドは小さいタイプ(希望どおり)
④ネックの角度はもう少し欲しかったが・・・
このタイプにはなく諦める(やや不満)
⑤グリップは、少し太めのタイプが欲しいが・・・
あまり太いタイプもなく商品も直接握れないので諦めて他を優先(不満)
この例では、毛先とヘッドの大きさは、自分が希望している歯ブラシに合っていますが、他は諦めて購入しています。
それでは、この例の歯ブラシで、やや不満・不満があった部分(②④⑤)を希望に近づくように、自分でカスタマイズしてみましょう。
②について・・・縦の毛の配列を減らすには、先の尖ったハサミで自分の希望する長さまで握る方向から切っていきます。
④について・・・ネック部分の角度をもう少しつけるには、付けたい部分に火を当て調整します。
※歯ブラシの柄は、プラスチックなので曲がりやすい半面、当てすぎると溶けるので十分注意してください。
⑤について・・・グリップを太くするためには、ラップを使います。
介護用品に歯ブラシの柄に付ける粘土型のタイプや、柄に刺して付けるタイプなどがありますが、別に購入しないといけないので、身近にあって使いやすいラップをとさせていただきました。
ラップの無駄遣いと言われるかもしれませんが、半分に折って使うのでそれほど必要ありません。
面倒くさいように見えますが、諦めていた部分が、自分の希望どおりになり、磨きやすくなったと思います。
※いくら磨きやすくなったからと言って、毛先が開いたまま使用していても効果はありません。
※歯ブラシは、一カ月を目途に交換してください。
介助が必要な方に合わせたカスタマイズ
介助が必要な方でも、自分である程度の歯磨きができる方は、腕を動かす動作で脳に刺激を与えることから、まず自分でできる範囲で磨いていただき、難しい箇所は介助する方が仕上げ磨きをしてあげると良いでしょう。
このとき、歯ブラシをお口に合わせてカスタマイズしてあると、更に自分で磨ける範囲が広がることにより、介助する方の仕上げ磨きの時間も短縮でき、他のケアに時間をかけることができます。
全介助が必要な方は、介助する方が磨きやすいように、前歯・前歯の裏側、奥歯・奥歯の裏側等に合った形にカスタマイズした歯ブラシを何本か用意しておくと、時間が短縮されます。