医療法人デンタルクリニックたかはし






 病気には様々な原因がありますが、その中でも普段から気を付けていれば病気にならなかったと思われるものが多々あります。そのようなとき、出てくる言葉が『免疫力』です。この言葉は医学用語にはありませんが、『免疫機能が正常に機能している・・・』、『感染症に対する抵抗力がある・・・』、『体力がある』といった意味で使われることが多いと思われます。
 つまり、『免疫力を高める』ということは、本来、自分が持っている免疫機能がしっかり働くように、普段から『体調を整えるように気を付ける・・・』という意味だと考えられます。
 最近では、健康に関する色々な話題や情報が飛び交っていますが、『免疫力を高める』といった科学的根拠のあるものは少なく、個人差も大きいため、内容を十分に理解する必要があります。免疫力を高めることは、免疫力の低下を防ぐことでもありますので、自分の体に合わせて毎日しっかり行わなければならないことがあります。特に免疫力が低下傾向の高齢者においては、弱いウイルスや身近な細菌でも感染しやすく、感染してしまうと重症化するリスクが高くなるため、毎日の食生活や運動に注意しながら体力を維持し、今よりも免疫力が低下しないように注意する必要があります。



【免疫力低下を防ぐためには】

○栄養状態を良好に保つ

体に必要な栄養が十分に摂れていないと低栄養になり、免疫力が低下し、感染症になりやすくなります。
バランスよく食事を摂ることで栄養不足は解消されますので、自分の体の状態に合わせた水分や栄養を考えながら食事を摂るようにしましょう。

○必要な水分量を摂取する

無理をして多量の水分を摂るのではなく、毎日飲む時間を決めて、自分が必要とする量を飲み忘れないようにしましょう。
特に高齢者の方は、年齢と共に喉の渇きが鈍感になりやすく、また服用しているお薬の影響により唾液が出にくくなることもあるため、健康な方よりも脱水状態に陥りやすくなります。

○口の中の衛生状態を保つ

目・耳・鼻・口の粘膜は外界と面しているので、粘膜にくっついた細菌・ウイルス・異物を排除する役割がありますが、体の水分が不足して脱水状態になると粘膜が乾燥して防御力が低下し、感染する確率が高くなります。また、乾燥により虫歯菌・歯周病菌が繁殖し、持病のある方の悪化や合併症に繋がります。
自己防衛手段としては、うがいではなく、自分のお口に合った正しい歯磨きに勝るものはありません。歯がない場合でも、しっかり粘膜や舌の汚れを取り除くようにしましょう。

○手洗い

免疫力と関係がないように思われるかもしれませんが、多くの方は、毎日無意識に手で口や鼻を触り、手に付着している細菌やウイルスを体に取り込んでしまっています。免疫力が低下していると、手に付着している細菌やウイルスによって感染症になることもあるので、帰宅時だけでなく、常に手洗いを忘れないようにしましょう。



令和2年6月2日更新(令和2年4月1日更新分の改定版)

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