医療法人デンタルクリニックたかはし





 現代社会で生活している私たちは、何か気になっていることがあっても『どうしてこうなったのだろう・・・?』と、自分で考える前に、誰かに聞いて済ませてしまう傾向にあります。忙しいという理由もあるかもしれませんが、考えることが面倒くさくなり、簡単に人と同じ考えや同じもので済ませてしまうために個性がなくなり、その人本来の姿がだんだん見えなくなってきているような気がします。また、インターネットの普及により、知らないことは直ぐに調べることができて便利になった反面、色々な誤った情報も多く発信され、どの情報が正しいか分からないことも沢山あるように思われます。このような情報社会の中で、人に左右されず正しい情報を得るためにも、自分である程度の知識を付けておくことが必要ではないでしょうか。
 歯に関しては、最近テレビのコマーシャルや雑誌等でも色々なケア商品として歯ブラシや歯磨き粉が紹介されていますが、毎日自分のお口の中で使う物なので、周囲に惑わされず良い点・悪い点をしっかり自分で判断(特に歯磨き粉は、成分表示に注意)し、分からないことがあれば専門医(かかりつけ医)によるアドバイスを受け、早く自分に合った物を見つけ、健康な状態を維持することが大切です。特に生活習慣病と言われている歯周病に関しては、早い段階で予防への取り組みが大切です。歯周病は進行すると歯が抜けてしまうだけでなく、歯周病菌が歯茎から血液を通して全身へ回って臓器に影響を及ぼし、他の病気を発症させます。虫歯においても正しい知識を身に付け、症状が出ていない早期から予防をしていれば、急に発症することもありません。歯周病や虫歯に限らず、毎日の自己管理、定期検診が大切です。
 歯の機能に関しては、左右でよく噛むことによって脳へ刺激を与えたり、アゴの骨の発育を良くしたり、唾液の出が良くなることで虫歯や歯周病予防になったり、身体にとって良いことが沢山あります。
 しかし、左右で噛んでいる方は少なく、右利き左利きがあるように噛み方も右噛み左噛みがあり、どちらかに癖がついている方は、なかなか左右で噛むことができません。方噛みの癖がある方は大勢いますが、早く何が原因なのかを見つけ、できるだけ癖をつけないようにしないと、よく使う側に負担がかかり、強い噛み合わせが原因で歯が動いてきたり、使わない側の頬の筋肉が緩み、頬が弛んできたりする(ほうれい線がでる)場合があります。このような状態にならないためにも、例えば、よく使う側とは反対側でガムを噛んでトレーニングして噛む感覚を元に戻す方法もあります。私たちは、ちょっとしたアドバイスを受けるだけで自分の身体を自分で予防することができ、自分の意識次第でそれを持続することができます。
 食事に関しては、例えば、同じご飯を食べるにしても、ご飯とおかずに分けて食べる場合と、お茶漬けや雑炊のようにご飯とおかずが混ざっている場合では、ご飯だけの場合、自分で噛む回数を調整できますが、ご飯に水分が混ざっている場合は、噛もうとしても直ぐに飲み込んでしまいやすくなります。いかに食材その物の方が噛む回数を増やすことができるかということが分かります。
 普段から食事の時に噛む回数を気にしていると、徐々に食材や一口の量によって噛む回数を増やせる方法が分かってきます。食事だけでなく、日頃から自分の身体に合わせた調整方法を意識し、それを持続していくことが大切です。
 便利な世の中で生きている私たちは、『あれが良いみたい』とか『あれを使うと良くなる』など、色々な話を聞くことが多いと思いますが、どれも全ての人を対象にしている訳ではなく、個人差が必ずあります。周囲の情報に惑わされず、自分で気になることがあれば放っておかず、まずは自分で調べ、分からない場合は専門家に聞き、早い段階で自分に合った方法を見つけ解決することをお勧めします。

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