一般的に消毒と言えばアルコール消毒が行われており、取り敢えず『アルコールで消毒しておけば大丈夫・・・』と思われている方が多いと思いますが、消毒液は予防したい細菌やウイルスによって変えないと効果があまりないことをご存じでしょうか。せっかく消毒液を使用しても効果が得られないようでは予防にはなりません。
まずはウイルス本体の特徴を知っておく必要があります。
ウイルス本体は、膜(エンベロープ)で包み込まれているウイルス(エンベロープウイルス)と、そうでない(ノンエンベロープウイルス)があります。膜を持つウイルスは比較的抵抗力の弱いものが多いですが、膜を持たないウイルスは、口や鼻から侵入し、胃酸や胆汁酸にも抵抗できるため体内に侵入すると死滅するまで症状が続きます。
消毒液は、この膜がある場合に有効なもの、この膜がない場合に有効なもの、どちらにも有効なものに分かれます。
例えば・・・
インフルエンザの予防には、アルコール消毒は有効ですが、感染力の強いノロウイルス・ロタウイルスの予防には、一般的なアルコール(弱酸性)消毒はあまり効果が期待できないため、高濃度(60%以上)アルコール消毒(手や皮膚)または塩素系(0.1%次亜塩素酸ナトリウム)の毒薬を使用しますが、塩素系は有効です。
<注意事項>
アルコールは刺激性があり、手に傷がある場合は悪化させたり、使い過ぎによる手荒れ(肌の細菌バランスを崩す)によりかえって病原菌が入ってきやすくなるので、使用時には注意が必要です。
<POINT>
しっかり消毒する必要はありますが、日常生活においてはあまり神経質にならず、「上手く細菌と共存していく」ぐらいの意識が大切です。手指に使用する場合は、必ず手指用の商品説明に従って適切に使用しましょう。
〇:有効 △:十分な効果が得られない場合がある ×:無効
RSウイルス:風邪の原因ウイルスの1つ。 乳幼児から高齢者までみられる。
ロタウイルス:乳幼児期にかかりやすい。
レンサ球菌:喉の病気の原因菌。
※新型コロナウルスは、エンベロープウイルスのため、高濃度(60%以上)のアルコール消毒、及び 物の表面消毒 には0.1%次亜塩素酸ナトリウムが有効です。
※『図』をクリックすると拡大表示されます。
令和2年2月5日更新