医療法人デンタルクリニックたかはし



食後直ぐに歯を磨くと歯は奇麗になるのでしょうか・・・?

 食後、直ぐに歯を磨けば早く汚れが取れて奇麗な歯になると思われそうですが、実際は歯が修復される(再石灰化が始まる)前の酸で軟らかくなったエナメル質を数ミクロン単位で削ってしまっていることになります。


 食べ物や飲み物でも酸の強いものは、継続的に歯に触れても歯の表面のエナメル質が一時的に軟らかくなり、強い力がかかると歯(エナメル質)が削られてしまう恐れがあります。


◎歯を傷つけてしまう可能性のある物


 酸っぱい食べ物
   グレープフルーツ・オレンジ等の柑橘類に
   含まれているクエン酸
   しょう油、お酢、ドレッシング等の調味料


 飲み物
   アルコール飲料、炭酸飲料


 特に注意しなければならないのは、奥歯の咬み合わせる部分や、前歯の先の部分等で、これらが原因で歯が擦り減ってしまっている状態の歯を『酸蝕歯』と言います。
 例えば、食後に果物を食べ、そのままの状態でしばらくしてから歯を磨いても歯を削ってしまう恐れがあります。酸性の強い物を食べたり飲んだりした場合は、ちょっとした注意が必要です。
 予防方法としては、口の中を中性(PH7.0)に戻すことです。歯は再石灰化するので、『飲食後直ぐに歯を磨く』のではなく、水やお茶を口に含んで中性に戻し、30分ぐらい経ってから歯を磨くと良いと言われています。
 以前は、食事に時間をかけることができ、食後はゆっくりお茶やコーヒーを飲みながらお茶べりをしていると15分ぐらいの時間が過ぎ、その後に歯磨きをしていたので丁度お口の中が中和され、歯を傷つけることはありませんでした。
 現代は、時間に追われることが多く、ゆっくり時間をかけて食事をすることができにくくなり、再石灰化が十分に行われにくいのではないかと考えられます。


 入れ歯に関しても、歯が無いからと安心してはいけません。
 入れ歯の材料はプラスチックですので、酸により入れ歯の表面に傷がつき、その部分に汚れが付着したり、ひび割れの原因にもなります。また部分入れ歯でも、同じことが言えます。

 入れ歯も歯と同様、食後直ぐに磨くのではなく、入れ歯を入れたまま水やお茶を口に含んだりして、しばらく時間を置いてから磨くか、入れ歯をはずしてしばらく水の中に入れてから磨くと良いでしょう。

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