口臭の原因
口臭の原因の多くは、お口の中の細菌が糖を分解しるときに発生する揮発性硫化化合物(細菌が出すガス)です。歯周病が進行して出血したり膿が溜まったりすると、さらに悪臭を発生します。
口臭の原因になる細菌は、歯周ポケット(歯と歯茎の境にある溝)や舌苔(舌の白い部分)に生息しています。
また、歯がない場合でも、粘膜や舌苔に生息し、清掃を怠ると繁殖していきます。
毎日歯磨きをしなかったり、自己流の歯磨きで済ませていたり、年齢と共に唾液の量が減少してくると、さらに舌や上アゴにも細菌が付着するようになります。また、普段から鼻よりも口で呼吸することが多い方は、お口の中の乾燥が進み、口臭がさらに強くなります。
臭いのタイプ
臭いには、生臭い臭い・魚のような臭い・物が腐ったような臭い・酸っぱい臭いなど色々なタイプがあります。
近くで『ハァ』と息を吐いてもらったときに、わずかに臭う程度であれば、あまり気にすることはありませんが、口臭が強くなるとその人のいる周囲が臭うことがあります。特に高齢者の場合、排泄物の臭いと思われていた特有の臭いが、実は口臭だったということもあるようです。
口臭予防
口臭は単なる臭いではなく、ほとんどの場合がお口の中のトラブルのサインです。
口臭があれば、歯周病・虫歯・舌の汚れ(舌苔)・お口の乾燥などが疑われます。
歯の治療が必要であれば、できるだけ早期に治療を始め、毎日のケアとしては、できるだけ自分に合った歯ブラシを見つけて選び、自己流ではなくブラッシング指導を受け、一日一回はゆっくり時間をかけて磨き、歯を磨いた後は必ず舌も磨くことが大切です。
特に高齢者は、自分の口臭に気付きにくいため、家族がさり気なく口臭ケアを勧めてあげることも必要です。
歯ブラシは、毛先にこしがあり清潔なものを使用した方が歯や歯茎には良いので、毛先が開いていなくても消耗品と考えて1ヶ月に1本ぐらいのペースで交換することをお勧めします。
口臭の起こりやすい人
○食後の歯磨きをしない人
歯磨きは1日1回以下、または水でうがいをするだけ。
○虫歯や歯周病が進行している人
歯に穴があいている
歯肉が赤く腫れ膿が出る
唾液がネバネバする
○唾液の量が少なくなっている人
話しにくい
喉や口が渇きやすい
物が飲み込みにくい
歯が無いのに臭う
○鼻よりも口で息をする人
乳幼児の口臭の原因の多くが口呼吸(特に起床時)
上記同様の原因で大人にも多い
○あまり会話をしない人
唾液が出ていないので、口の中が洗浄されずネバネバしている。
○緊張しやすい人(緊張した時)
緊張から唾液がでにくく、口臭が強くなる。(誰もがなり易い)
○入れ歯が汚れている人
入れ歯を入れたままの状態が多い
食べ物や汚れがついてヌルヌルしている
○全身疾患がある人
口の中以外(内臓・呼吸器系・消化器系など)に原因がある
○精神的・心理的
いつも気になる
歯を一生懸命磨いてしまう
うがいによる口臭予防
当医院では、お口の中の細菌を減らすことで、歯周病・虫歯を予防するためのうがい薬(殺菌水 ペリウォーター)をお勧めしています。
歯磨き前に30秒以上のうがいをしていただくだけで、かなりの効果があるうがい薬です。
ペリウォーターでの(30秒以上)うがい後は、歯の周囲の汚れは勿論、タンパク分解・洗浄・殺菌によりお口全体の汚れが取れるため、使用後の歯磨きにかける時間が短縮できます。
細菌が原因であれば口臭もなくなります。
口臭の原因追及
一般的に口臭は、自分では気付きにくく、周囲からも直接言い辛いため、そのまま放置されていることが多いように思われます。自分では大丈夫だと思っている人は、『虫歯・歯周病予防の歯磨き粉を使っているので・・・』、『できるだけうがいをするようにしているので・・・』、『いつもガムを咬むようにしているので・・・』など理由は様々ですが、どの理由も自分のお口の中の環境や状態にあったものではなく、これをしていれば大丈夫だと思い込んでいる場合が多いように感じます。